
森の中に暮らしていますので、非現実の象徴が海なのでしょう。
フミノさんは疲れると、『海が見たい』と言うのです。
僕も現実を忘れたくて、『うん。海を見に行こう』と言います。
定休日も、買い出しと仕込みとで暮れてしまうことが多いから、
こうして、えいやっと、遠くまで出掛けるのは大きな気分転換になります。
お金に余裕の無い僕たちは、旅は基本的に車中泊のことが多いです。
一泊二日のちっぽけな旅です。
(個人の感慨ですが、宿に泊まると“旅行"。車中泊をしていると“旅“という感覚が強まります。)
普段からこじんまりとした隠れ家のようなお店を営んでおりますけれど、
やっぱり僕たちは根から隠れ家が好きなようでして、車中泊のこじんまりとした隠れ家感・移動秘密基地感が、何にも代え難く、ワクワクしたりするのです。
車中泊旅での醍醐味の一つに、
2人の朝コーヒーの愉しみがあります。
日々、早朝から店を開けておりますので、
旅先での朝は僕たちにとってはのんびりとお寝坊さん。(それでも7〜8時には起きるのですが。)
ロケーションの良い場所で、いつもとは違って2人の為だけにコーヒーを淹れます。
この日は、自分達の暮らす街を流れる川が、海へと注ぐ河口付近の海岸を選びました。
自分達のお店の屋根から雨樋へと、そして土に染みて、傍の渓流へと流れた水の一滴が、
こうして海という莫大な水の塊へと合わさる物語というのは、なんとも不思議で壮大でワクワクとします。
お外で湯を沸かし、
手回しのミルをごりごりと回して、
普段は使わない器具で抽出をします。
あのね、もうね、
最高に美味しいです。
いいでしょう、と、自慢したくもなります。
だから、ここで自慢させてもらいます。笑

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